空腹感と戦うのは難しい

ふつうの人は、お腹が空いてから食べ物を探します。つまり、空腹感から食行動にスイッチが入るというのが通常です。ところが、肥満の人は、外からの刺激を受けた時点で食欲にスイッチが入ってしまい、その刺激物が目の前から無くなるまでそのスイッチは入ったままになります。特に、視覚的刺激に強く反応します。これを示したのが、5。ぺ‐ジのモデル図(正常体重者と肥満者の食欲)です。お腹で食べる正常体重者に対して、肥満者は日で食べ始める傾向があります。ケーキの写真を見せただけでも分かります。ケーキですね、という正常体重者に対し、肥満者はもう目で食べ始めています。肥満傾向の人は、刺激物をいともたやすく受け入れてしてしまう自分を考え、自らを取り巻く環境を意識的に変えることも大切です。

 

みんながみんな刺激物を目にした瞬間から、「オール、スイッチオン!」にしてしまったら、自分一人だけダイエットに挑戦しようとしても所詮無理な話です。仮に、そこにいたすべての人が、自分だけダイエットに挑戦しようと思っていたにせよです。ちなみに、米国の大規模疫学研究フラミンガム・スタディから、肥満しはじめた友人を持つと、肥満リスクが57%増加するというデータが得られています。これは、「オール、スイッチオン!」の環境因子が大きくかかわっていることを意味しています。自分だけが太って見えるような環境、正しくは、自分しか太っていない環境(B図)に、自身を置いてみるとすぐに分かります。刺激物を見た瞬間に「スイッチオンー」したのは自分だけだったことに気付かされます。これは、錯覚ではありません。類は友を呼ぶと言いますが、ダイエットに挑戦する場合に限っては、できるだけ自分とは違う体型の人の集団に入るよう心がけましょう。