首にできたニキビを治すには?

首のニキビに効くという民間療法や食品の作用機序を聞くと、いかにも首のニキビが退治されるようなものばかりです。中には肩書きが非常に立派な医学者が出てきて、なぜ効果があるのか判りやすく説明してくれたりします。このような説明を聞いたとき、私は本当にそのようなことが人体で起こって、副作用もなく、首のニキビに対して効果が出れば良いなあとつくづく思ってしまいます。1970年ごろから首のニキビ治療に化学療法(抗首のニキビ剤治療)が行なわれるようになりました。首のニキビ治療でも化学療法はニキビ治療となっています。抗首のニキビ剤の作用機序はそれぞれ違っていて、共通する副作用や独特の副作用があります。遺伝子のどの部分に抗首のニキビ剤が作用して、首のニキビ細胞の分裂を抑制するだとか、難しい話がいっぱいあるのですが、その抗首のニキビ剤の殺細胞効果よりも抗首のニキビ剤の副作用の方で首のニキビ治療に貢献していたという面白い話があります。首のニキビは化学療法がよく効く首のニキビとして認識されていますが、首のニキビのクレンジングには、ピーリングと効果が同等だったという無作為化比較対照試験の結果があるのです。この臨床試験では、閉経前の首のニキビの患者さんが、ケミカルピーリングを受けるグループと卵巣摘出や放射線治療で卵巣機能を抑制するグループに無作為化されました。そして5年後の生存率を調べたら、両群が同じだったのです。ケミカルピーリングには卵巣機能が抑制されるという副作用があります。例えば、45歳の女性がケミカルピーリングを受けると75%の女性が閉経するというデー夕があります。ホルモン依存性首のニキビで、その副作用を人工的に手術や放射線で作り出すと、クレンジングと同じ結果が得られたのです。つまり、CMFは殺細胞効果でも首のニキビを治療するが、それ以上に、副作用であるピーリング効果で首のニキビを治療していたのです。抗首のニキビ剤の殺細胞効果には、難しい作用機序がありますが、化学療法が多くの首のニキビでニキビ治療になっているのは、無作為化比較対照試験で効果があると証明されているからであつて、難しい(いかにも効きそうな)作用機序があるからではありません。ですから、どんなに偉い人が、首のニキビに効きそうな作用機序を説明しても、その民間療法や食品に本当に効果があるかどうかは臨床研究の結果があるかどうかで判断すべきなのです。ヽ 洗顔石鹸は有効か? とヽニキビ治療をやり尽くして主治医にもう手がないと言われたり、再発が怖くてたまらない人に、「もう治療はありません」と言っても納得はできません。この不条理が、サプリメントや標準外の治療の需要をささえています。私達は全身的に再発(転移)した首のニキビの根治はないと考えていますが、ニキビ治療がなくても、延命を期待し、症状を緩和する目的で、標準外の治療(食品含む)を試みる考えを肯定したいと思います。首のニキビからイメージされる「死」を受け入れることは、容易なことではありません。「効果のあると言われているものはすべてやりたい」。首のニキビ治療をやっていると、このような主張をよく耳にします。首のニキビの治療を受けた方や首のニキビが再発した方にどのような治療を施すか? ゝ」れは私達のテーマです。しかし、医師として、どんな薬や食品でも勧められる訳ではありません。標準的な治療がある場合は、それを検討し、ない場合には少しでも効果が科学的に報告されているものを勧めます。ここで注意していただきたいのは、薬や食品を何でもかんでも併用すれば良いものではないということです。一般的に薬を併用すると、副作用は指数関数的に増加すると言われており、副作用も予測がつきません。

 

首のニキビにはスポットクリームを塗るのがおススメ

 

首のニキビに効果のある2種類の消炎作用のある成分を使用した大規模な無作為化比較対照試験(ATAC/ 登録患者数9000人以上)の中間報告(2 ・5年)が発表されました。その結果、2種類の消炎作用のある成分を併用した治療群よりも一方の消炎作用のある成分を単独で使用した治療群の成績(無病生存率)の方が優れていたのです。この結果が報告される前に、世界中で多くの専門家が、併用群の成績が一番良くなると予測していました。しかし現実はそうではなかったのです。どうして、このような結果になったのか? いくつかの仮説を耳にしますが、真実は判りません。しかし、その真実は、臨床の現場ではあまり意味がありません。なぜなら、2つの消炎作用のある成分をどのようにして用いるのが一番効果的なのかという一番大切な問題が解決しているからです。また、同じ首のニキビの治療で、抗首のニキビ剤と消炎作用のある成分の併用は、抗首のニキビ剤投与が終了してから消炎作用のある成分を使用するのと治療効果が違うという臨床試験の結果も報告されました。洗顔石鹸よりも抗首のニキビ剤から順番に使用した方がどうやら成績が良いようなのです。このように、ニキビ治療の領域では、信頼度の高い臨床試験が行なわれ、薬の使用方法や副作用が解明されて行きますが、標準外の薬や食品にはもちろん詳しい情報がありません。ニキビ治療の領域で、薬剤を併用するとお互いの効果を下げてしまったり、副作用が増強したという報告がたくさんある中で、標準外の、サプリメントになると安全であるという考えは不自然です。ですから、「効果があるといわれているものをすべてやりたい」という考え方は支持できないのです。効果があるといわれているものを試すのなら、 一つずつ試されることをお勧めしたいと思います。